四種混合ワクチン quaternary-vaccine
ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオについて
ジフテリア:ジフテリア菌の飛沫感染で起こります。感染は主に喉ですが、鼻にも感染します。
症状は高熱・喉の痛み・犬吠様の咳・嘔吐などで、偽膜とよばれる膜ができて窒息死することがある病気です。発病2~3週間後には菌の出す毒素によって心筋障害や神経麻痺を起こすことがあるので、注意が必要です。
百日せき :百日せき菌の飛沫感染で起こります。百日せきは、普通風邪のような症状で始まります。続いて咳がひどくなり、顔を真っ赤にし連続的に咳き込むようになります。咳の後急に息を吸い込むので、笛を吹くような音がします。熱は出ません。乳幼児は咳で呼吸ができず、唇が青くなったり、痙攣が起きることがあります。肺炎や脳症などの重い合併症を起こします。乳児では命を落とすこともあります。
破傷風 :破傷風菌はヒトからヒトへ感染するのではなく、土の中にひそんでいて傷口からヒトへ感染します。傷口から菌が入り体の中で増えると、菌の出す毒素が原因で、口が開かなくなったり、痙攣を起こしたり、死亡することもあります。患者の半数は自分や周りの人では気がつかない程度の軽い刺し傷が原因です。日本中どこでも土中に菌はいますので、感染する機会は常にあります。また、お母さんが抵抗力免疫)を持っていれば出産時に新生児が破傷風にかかるのを防ぐことが期待できます。
ポリオ :ポリオは「小児麻痺」とも呼ばれ、ポリオウイルスによって主に手足に麻痺を起こし、その麻痺が一生残ってしまうことがあります。わが国ではワクチンの高い接種率により自然感染による患者発生はありません。しかし、一部の国では今でもポリオの流行があり、このウイルスがいつ国内に入ってくるかわかりません。また、それらの国々に出かける時に抗体がないと感染する可能性があります。
ワクチンの特徴と副反応
このワクチンは、三種混合(DPT)ワクチンにVero細胞という培養細胞で弱毒ポリオウイルス(セービン株)の1型、2型、3型をそれぞれ精製し不活化したものを混合した四種混合ワクチンです。副反応は、注射部位の紅斑・硬結(しこり)・発熱・腫脹(はれ)・気分不快・下痢・鼻漏(はなみず)・咳嗽(せき)・発疹・食欲減退・咽頭紅斑・嘔吐などがみられ、ほとんどは接種3日までにみられています。硬結は1ヶ月くらい残ることがあります。
また稀に、ショック・アナフィラキシー・血小板減少性紫斑病・脳症・痙攣が起こる可能性があります。このような健康被害が生じた場合については、健康被害を受けた人又は家族が独立行政法人 医薬品医療機器総合機構法に基づいて救済手続きを行うことになります。
予防接種を受けることができない方
① 明らかに発熱のある方。(通常37.5℃を超える場合)
② 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方。
③ 過去に四種混合ワクチンの成分によって、アナフィラキシーを起こしたことがある方。なお、他の医薬品投与でアナフィラキシーを起こしたことがある方は、予防接種を受ける前に医師へその旨を伝え、判断を仰いでください。
④ その他、医師が予防接種を受けることが不適当と判断した方。
予防接種を受けるに際し、医師とよく相談しなければならない方
① 心臓病・腎臓病・肝臓病・血液の病気などの基礎疾患がある方。
② 発育が遅く、医師・保健師の指導を受けている方。
③ 予防接種を受けたときに、2日以内に発熱がみられた人及び発疹・じんま疹などのアレルギーを疑う異常がみられた方。
④ 今までに痙攣を起こしたことがある方。
⑤ 過去に本人や近親者で、検査によって免疫状態の異常を指摘されたことのある方。
⑥ 四種混合ワクチンの成分に対してアレルギーを起こすおそれのある方。
予防接種を受けた後の注意
① 四種混合ワクチンを受けた後30分間は、急な副反応が起こることがあります。医療機関にいるなどして様子を観察し、医師とすぐに連絡をとれるようにしておきましょう。
② 接種当日の入浴は差し支えありませんが、注射した部位をこすらないようにしましょう。
③ 接種当日はいつも通りの生活をしましょう。激しい運動や大量の飲酒は避けましょう。
④ 万一、高熱や痙攣などの異常な症状が出た場合は、速やかに医師の診察を受けて下さい。
料金表
ワクチン名 | 製品 | 価格(税込) |
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DPT-IPV 4種混合ワクチン (ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ)(国産ワクチン) |
クアトロバック |
15,500円(税込み17,050円) |