平成30年7月に健康増進法の一部を改正する法律が成立し、令和2年4月1日より屋内での喫煙が全面禁止となります。
法律により、望まない受動喫煙を防止するための取組は、マナーからルールへと変わります。
当院でも皆様が禁煙を無理なくスムーズに進められるよう禁煙外来を行っております。
医師が禁煙をサポートします。
禁煙外来では、医師が、あなたの喫煙歴をきちんと把握した上で、禁煙補助薬の処方、治療の経過を見守ってくれることです。禁煙中の症状(離脱症状)が起こっても、診察で相談できるので、うまく続けていくことができます。
健康保険等を使用し、禁煙ができます。
ニコチン依存症は病気であるということが認識されるようになり、2006年4月から、一定の条件を満たせば、健康保険等を使って禁煙治療を受けることができるようになりました。
その条件は、以下の4つです。
①ニコチン依存症の判定テストが5点以上
②35歳以上の者については、1日の喫煙本数に喫煙年数を掛けた数が200以上であるものであること
③ただちに禁煙を始めたいと思っている
④禁煙治療を受けることを文書で同意している
12週間で5回の診察を受けます。
禁煙治療は12週間が基本です。その間に、診察を5回受けることになります。
治療中、最も大切なことは、医師に相談なく中断しないこと。「1度、診察を受けたから、あとは自分の力で禁煙できる」と、受診をやめる人がいますが、そうした人の禁煙成功率は低いことがわかっています。
なぜ、診察を中断すると成功できないのでしょうか。それは、中断したことによって、診察で医師のアドバイスや薬の処方が受けられなくなるためです。それだけ、一人で禁煙するのは難しいということです。
一酸化炭素濃度を測定します。
タバコには200以上もの有害成分が含まれています。その中でも代表的な有害物質が一酸化炭素です。血液中のヘモグロビンは酸素と結びついて全身に酸素を運ぶ役割をしていますが、一酸化炭素は酸素に比べて200倍以上もヘモグロビンと結びつきやすい性質を持っています。このため一酸化炭素があるとヘモグロビンは酸素と結びつくことができず、血液の酸素運搬能力が低下してしまい、酸素不足に陥ります。頻繁に喫煙する人は慢性的な酸素欠乏状態となり、ひいては赤血球が増えるなどの影響もあります。このため一酸化炭素は血管の動脈硬化を促進するともいわれています。禁煙外来時にはこの一酸化炭素濃度を測定し、体内の一酸化炭素がどの程度あるか把握しながら進めていきます。