コロナ渦の中で今一度自身の健康を見直してみませんか?

みなさんは生活習慣病と聞いて、どんな病気を思い浮かべるでしょうか。糖尿病?いやいや肥満?それとも高血圧でしょうか?生活習慣病とは、食事や運動・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣が深く関与し、発症の原因となる疾患の総称です。以前は「成人病」と呼ばれていましたが、成人であっても生活習慣の改善により予防が可能で、反対に成人でなくても発症の可能性があることから、1996年に当時の厚生省が「生活習慣病」と提唱したことは広く知られています。

今や日本人の三大死因であるがん・脳血管疾患・心疾患、更にその危険因子となる糖尿病・高血圧症・脂質異常症などはいずれも生活習慣病とされています。世界を見回してみても、19世紀まで人類の健康課題は感染症の克服でしたが、20世紀以降は疾病構造が大きく変わり、非感染性疾病である生活習慣病が主たる死亡原因となっています。特に、2020年に世界保健機関が発表した2000年~2019年の20年間の「世界の死因」には、脳血管疾患と糖尿病がトップ10に入っています。

また2021年7月現在、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を奮っていますが、高血圧症、糖尿病、喫煙など生活習慣病のある方が新型コロナウイルスに感染した場合、特に血管内皮機能障害があれば、極めて重症化しやすいとの報告が多くあります。

生活習慣病を含む非感染性疾患の主要なリスク要因は、(1)喫煙(2)運動不足(3)アルコール(4)不健康な食事、であり、これらは生活スタイルを見直すことで、すべて改善が可能です。ちなみに世界保健機関は下述の「5つの食事のヒント」を2020年に公表しています。加えて、早期発見・治療のためには、かかりつけ医が果たす役割が大きいと述べています。

当院では、働く人またその家族のためのかかりつけ医として、企業の健診、資格のための健診や入学時健診等各種検査を用意しております。お気軽にお問い合わせください。

健康診断

5つの食事のヒント

  • バランスのとれた食事を摂る(穀類や野菜、大豆、豆類、動物性食品、植物性食品をバランス良くとり混ぜて食べる、精製されていない穀類を摂る、高カロリーのスナックや間食を摂らない)
  • 食塩を減らす(加工食品を利用するときは、栄養表示をよく見て、食塩の多いスナックなどを避ける)→高血圧症を予防
  • 脂肪の摂り方に注意する(飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸をバランス良く摂る、魚を食べる、トランス脂肪酸は摂らない)→脂質異常症を予防
  • 糖質を摂り過ぎない(加工食品や清涼飲料を利用するときは栄養表示をよく見る)→糖尿病を予防
  • アルコールに注意(アルコールは、ちょっと飲み過ぎただけでリスクが上昇する)→高尿酸血症を予防

文献:
日本生活習慣病予防協会
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第4.2版

吉川 裕章
グランスタ丸の内院長
近畿大学医学部卒業、プライマリ・ケア連合学会
家庭医認定医・指導医
日本内科学会 認定医
日本皮膚科学会

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