PCR検査と抗原検査と抗体検査の違いって?

ここ最近、コロナウイルスの検査実施数が増えており様々な検査の名前を聞くようになりました。
そこで新型コロナウイルスに関わる代表的な3つの検査についての説明いたします。

PCR検査とは

検査したいウイルスの遺伝子を専用の薬液を用いて増幅させ検出させる検査方法です。
鼻や咽頭を拭って細胞を採取し、検査を行います。感染してから発症する数日前より検出可能とされています。
主に体内にウイルスが検査時点で存在するかを調べるときに用います。

感度は約70%程度と言われており、検体採取をした場所にウイルスが存在しなかった場合などは感染していた場合でも陰性となってしまう場合があります。
そのため検査機関によってはウイルスを検出できなかったケースを「陰性」とはせず「検出せず」と表現する場合もあります。

抗原検査とは

検査したいウイルスの抗体を用いてウイルスが持つ特有のタンパク質(抗原)を検出する検査方法です。
PCR検査に比べ検出率は劣りますが、少ない時間で結果が出る、特別な検査機器を必要としないことから速やかに判断が必要な場合等に用いられることが多いです。

みなさんが病院でインフルエンザの検査をするときはこの抗原検査を行っていることが多いです。
抗原検査の中でも定性検査と定量検査という種類があります。その2つの違いについては以下の記事をご覧ください。

抗体検査とは

過去にそのウイルスに感染していたかを調べる検査です。
ウイルスに感染すると形成されるタンパク質(抗体)が血液中に存在するかを調べます。
体内に抗体ができるまでには時間がかかり、現在そのウイルスに感染していないことの検査に用いることは難しいとされています。

ウイルスに感染した場合だけでなく、ワクチンを打ったことによって抗体ができた場合にも陽性となります。
コチラの検査は自治体の公表する新型コロナウイルスの検査実施数にカウントされません。

抗体検査の中でもIgMとIgGという検査があります。その2つの違いについては以下の記事をご覧ください。

PCR検査 抗原検査
(抗原定性検査)
抗体検査
目的 現在感染しているか 過去に感染していたか
抗体ができているか
検体 鼻腔咽頭拭い液、鼻腔拭い液、唾液 鼻腔咽頭拭い液 血液
調べるもの ウイルスの遺伝子 ウイルスのタンパク質 血液中のタンパク質
精度 抗原定性より少ないウイルス量で検出可能 一定以上のウイルス量が必要
ワクチン接種での反応 陰性 陰性 Sタンパク:陽性
Nタンパク:陰性
*検査実施場所 検査機関に搬送して実施 検体採取場所 検査機関に搬送して実施
*所要時間 およそ1日 およそ15~30分 およそ2~3日
*検査価格 18,000円(税込19,800円) 9,000円(税込9,900円) 9,500円(税込10,450円)

*当院での情報を掲載しています。

※本記事は2020年8月に執筆されPCR検査のページに載せていたものを投稿日にコラムとして独立させたものです。
新型コロナウイルスに関しては現在研究が進められており、記載の内容が必ずしも最新のものとは限りません。

当院でも新型コロナウイルスのPCR検査を実施しております。

内藤 祥
医療法人社団クリノヴェイション 理事長
専門は総合診療
離島で唯一の医師として働いた経験を元に2016年に東京ビジネスクリニックを開院。
日本渡航医学会 専門医療職

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